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虹村那由多の奇妙な日常-第20編

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私は虹村那由多。M県S市杜王町のぶどうが丘高校に通う高校1年生だ。
現在私は地元のレストラン『トラサルディー』でウェイトレスのアルバイトをしている。
仕事は忙しいが、幼い頃からの顔見知りの店長や一緒にバイトをしている友人と、充実した日々を送っている。
……充実した日々を送っている、はずなんだけどなぁ……


それは、私とショコラが『トラサルディー』で皿洗いをしている時のことだった。

「きっばっろー、きっばっろー♪ 私はぼっちー♪ トイレが大好きー、どんどんきっばっろー♪
おっ猿とー電ちゅみー、出っておっいっでー♪ トイレにこっもろー、○んこが出っるまっでー♪
便器がたっくさんー、嬉しっ、いっ、なー♪ 便器がたっくさんー、嬉しっ、いっ、なー♪」
「……レストランでうたう歌じゃないよな、それ」
なんか、ショコラが変な替え歌を歌いながら皿洗いしてるんですが。あまりの内容に皿を落としかけたぞ。

「え、ダメ?」
「ダメ!」
いや、ダメに決まってんだろ。単に『さん○』の替え歌ならまだしも、食事する場所にふさわしい内容じゃねぇよ。
私の注意にしぶしぶ同意したのか、ショコラは口を尖がらせて、
「那由多ちゃんったら我儘だなぁ。しょうがないね、じゃあこれは?
『ぼーっち、ぼっちぼっち、便所メシー♪ ビルのトイレっかーら流されたー♪』」
「おいいいいいいいいいいいいいいいいっ、またぼっちネタかよ!
おまえジ○リとぼっちに恨みでもあんのか! 初めは○トロで、次はポ○ョじゃん!
次はラ○ュタで、『さあとーじこーもーろー、便所ーのなーかーにー♪』とでも歌うのか?!」
「そだよ? そこに気付くなんて、那由多ちゃんすごいねー♪」
「誰でも気づくわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

いい加減ブチ切れ気味に叫んだところで、私はハッと気づいた。……いかんいかん、これじゃあ血圧が上がる。
上がったら健康に悪いし、賄いの時にまたオーバーなリアクションを出しちまう。
これでも私は健康に気を使って、植物のように平穏な人生を送ろうとしてるんだ。オーバーなリアクションは好むところでないし、血圧が上がるなんて問題外だ。
おちつけー、私。平常心だ、平常心でこの難局を乗り切るんだ。これ以上落ち着きを失ったら、皿を割りかねない。んなことしたら給料から差っ引かれるぞー……

深呼吸をしてショコラのテンションに巻き込まれないように努力していた私だったが、
「そういえば那由多ちゃん、ぼっちさんと付き合ってるってホント?」
……ガシャン! あ、皿落とした。割れた。うはー、マジヤベー。ところで、ツキアウってなにそれ? おいしいの?
おもっくそ頭がフリーズしてから数十秒、再起動を開始して、

「はぁぁぁぁ??! なんだそりゃ?! どっからそんな変な噂が流れたのよ!」
「『ソウルメイト』に書いてあったよ?」
「あれはあれ! これはこれ! 他作品とごっちゃにしない! 
大体、パラレルのお前とここのお前は同一人物か? 違うだろ、むこうとこっちでしゃべり方に違いがあるだろーが! それと一緒!」
ウガー!っと機関銃のように十数秒まくしたて、息切れした私がせわしなく肩を上下させるのに、
「まあまあ、短気は損気だよ? そんなに怒ってばかりいちゃ、脳の血管切れちゃうよ」
「誰の所為だーっ!」
……とまあ、こんな風にショコラに怒っては、何事かと様子を見に来たトニオさんに食器代を天引きされるのが私の日常なのである。
バイト先、変えようかなぁ?


数日後、
「ねえねえ那由多ちゃん、垓くんが最近武田信玄さんって呼ばれてるの知ってた?」
「んにゃ知らない、なんでよ?」
「えっとね……、
『疾きこと風の如く早漏で、ピロートークのなさは徐かなること林の如くで、侵し掠めること火の如く形の定まらないフニャ○ンで、腰の動かざること山の如くなヘタクソ』
だからなんだって」
「なんであんたはそんなこと知ってんのよォォォォッ!」
……ヤバ、また血圧上がってきた。

おしまい



































後日談

「……という訳なんだよ、那由多ちゃん」
「………………………」
狂も教派で、じゃなかった。一発変換で『狂も教派で』ってなんなんだよおい、タリバンかなんかか筆者は?!
えーと、今日も今日はで私はショコラの発言にキレそうになってます。
(いいかー、落ち着け、落ち着くんだ私ーっ。こういう時はラマーズ法だ、人質にされたスケバンが反撃に転じる際のあれだ。呼吸を整えて落ち着くんだ。
それ、ヒッ・・ヒッ・・フーー・・ヒッ・・ヒッ・・フーー・・ヒッ・・ヒッ・・フーー・・!)
「はれ? 那由多ちゃんったらラマーズ法なんか初めてどしたの? ……ハッ! もしかして、ぼっちさんとの子供が生まれるの?!
トニオさーん! 大変、那由多ちゃんがママになっちゃう! 母乳がピュルピュル出ちゃうよぉっ!」
プチッ。
「誰が、んな破廉恥なことするかぁっ!」
思わずガーッと振り上げた私の手が、まずいことに積み上げた皿に触れて……ガシャン!
「那由多サン、今月のお給料ハ無しということで……」
……最悪だ。


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