【シナリオ根幹】
「穢れとは何か」そして「伝承が希望になる」過去の話

  • 穢れとは何か
 そもそもこのゲームの中で纏わり付く「穢れ」。その仕組みは「感情の動揺、それも【負に傾く】感情の動き」が関与している。
 知人同士の喧嘩ですら穢れが溜まる世界でありながら、あの世界のロゼは『暗殺=殺人』という重大な犯罪を行いながら穢れを発生させていない。この理論を正当化させるとすれば、「『自らの行いが悪いことである』と自覚することによって穢れが溜まる」のが自然と考える。
 つまり、前者の場合は「喧嘩が悪いことである」と自覚している二人が喧嘩をすることで双方が穢れてしまうが、後者の場合は「暗殺、つまり自らの殺人を強く肯定している」ことによって穢れが発生しないのである。
 同じ内容としては、師匠が目の前で死亡し絶望しきったアリーシャが穢れない事からも納得できないだろうか。あの時点の彼女は「周囲の何もかもに絶望し全てを捨てたい」と周囲に対しての怒りを覚えたのであって、「自らが全て悪い」と思わなかった(実際に彼女はほぼ悪くない)。その為、穢れなかったのである。
 ちなみに枢機卿については、当初は『民の為に』若干の罪悪感を抱きながらも多くの事を犯していた。が、金と権力を多く手に入れるうちに人が変わったようになり、憑魔化したことでエスカレートしてしまった。目的と手段が入れ替わったようなイメージである。

 しかしこの事実は、長い伝承のうちに歪んで伝えられるようになり、『絶望の感情こそが憑魔化の主因である』と間違った解釈になってしまった。それが、この世界の根本的な問題と思案する。


  • 「伝承が希望になる」
 上記の「穢れ」における伝承を正しくしていく。そして災禍の王ヘルダルフも(内容は展開次第で任せるとして)助けて、「穢れ」の世界を肯定していくことを根本的な課題とする。
 最終的には、「穢れを肯定し、穢れに満ちた世界を作ることで、全ての人類を安寧に導き、穢れを悪と見なす天族を根絶する」ことを目的とするヘルダルフと、「穢れを肯定し、穢れと正面から付き合いながら、最低限の憑魔化を防ぎつつ憑魔化しても救助する方法を世界に広げ、最終的には穢れを肯定する人類と穢れを全否定する天族の共存を目的とする」スレイ達で対立することになる。
 どちらも「穢れを『肯定』」することに注目しつつ、穢れとは何かを考える事を、ストーリーの根幹とする。
 エンディングでは、「過去、穢れによって世界は破滅へと向かっていた」ことを強調し、「とある導師が、穢れを肯定して憑魔と正面から向き合い、世界を救ってくれた」話が語り継がれている様子を町並みから表現して物語を終焉させる。
 そこには、スレイとアリーシャが伝承の英雄として佇んでいる。

シナリオ変更の希望部分
  • マイセンの死亡は夜のイベント後に変更
 アニメの花火大会に寒気を感じた一個人としては、是非とも順番を差し替えて欲しい。
 それだけで、話のシリアス具合が変わってくる。

  • アリーシャの離脱理由が「スレイの目が見えなくなった」ではなく「戦争に導師達を引き摺り込む為に、アリーシャが誘拐拉致監禁された」から(出来れば離脱自体を無かったことに)
 従士反動は、スレイの能力強化とアリーシャの献身的なフォロー及び本人の鍛錬努力によって全て解消される。
 但し、ヒロインポジションとして誘拐ネタは少し考えたい(スレイ達の戦争参加理由に妥当なものがあれば、アリーシャは終始同行させる)

  • ロゼの『暗殺者』設定を全面廃止orロゼを物語の根幹となる大ボスの一人とする
 そもそも5年以内の要人100人暗殺が戦争の引き金になっている事を考慮すると、彼女の存在=この世界の問題の半分程度を占めている。(そもそも大体のシナリオが完成した後に入ってきたキャラなので、存在自体が歪であると言わざるを得ない)
 その為、彼女を魅力的なキャラクターにするには『純粋な協力かつ強力系商人キャラ』か『心の底で全てを憎む犯罪者』のどちらかにするしかない。
 前者(商人Aパターン)の場合、「どんな辛い事があっても諦めない、明るく熱血な小物系商人」として一行をサポート。メイン物語で次に行く場所を教えてくれたり、ダンジョン内でも営業して割高ながらもアイテムを販売してくれる。勿論、ラスダンでもお構いなしに補充をしてくれる謎の人。人間としては滅茶苦茶強い。
 後者(暗殺Bパターン)の場合、ある地点で一行に同行。要人暗殺も戦争も過去の復讐の為として行動し、仇の前でついに暗殺どころか正面から殺しに行くところで憑魔化。敵討ち後(成否問わず)、紆余曲折を経てスレイ達と戦い、最終的には死亡する。
 これぐらい曲げなければ、参加は厳しいと思われる。


以下、主要キャラクターのメインシナリオ
●スレイ:導師とは、選択とは
 やっつけ的に導師となり活動を始め、色々と問題が山積みながらも一つ一つ解決しようとしたところで戦争に巻き込まれる。「絶対に大丈夫」と戦闘を継続したが、その結果、仲間の命が大幅に危機に晒されてしまう。
 「導師として選択する覚悟」の本当の意味を知らなかった彼は、自ら行動を選ぶ事に対して臆病となり、自分の意見を言わず他人の意見を聞くようになる。そんな不甲斐無い導師スレイにライラは我慢できず、一喝したことでパーティは空中分解寸前に。彼自身が憑魔化する寸前まで自分を追い込んでしまう。
 そこを救ったのは、アリーシャとミクリオだった。二人の支えもあってスレイは立ち直り、選択する覚悟の意味、そして導師として世界をどう変えていくのか正面から向き合い、他の天族たちも徐々に彼を認めていく。

●アリーシャ:従士とは、王女とは
 王女としての階級は相当に低いアリーシャ。だからこそ現場にも足を運ぶことが容易であり、彼女自身も現場から変えていくことに主眼を置いていた。その行動力があってこそ、スレイとミクリオと出会い、物語が始まったと言える。
 だが、曲りなりにも王女であることで周囲の敵から狙われることもある。何よりも、スレイの目が悪くなる従士反動は、彼女にとって一行から離脱するには十分すぎる理由だった。
 無言で立ち去ろうとする彼女を、スレイは必死になって止める。きっと元に戻る方法はあるから、一緒に探そう。それが僕の答えだから。そんな彼の想いを受け止めて、強くなりたいと願い、そして強くなろうと努力する彼女がサブイベントで垣間見える。最終的には天族すら上回る、努力の天才である。
 この事が、前述したスレイの絶望から救い出す鍵となる。

●ミクリオ:惨劇の呪い、親友とは
 スレイの親友として共に行動するミクリオ。彼を突き動かしているのは、何よりもスレイとの友情である。
 そんな彼と、自分は密接な関係になっていたこと、何よりもヘルダルフとの関係を目の当たりにして、人間と天族の関係を考えるようになる。
 それでもスレイを信じたいと、今までの想い・不安・色々な感情を全てスレイにぶつける。
 導師と従士。人間側と天族側。対極同士で語り合う。友情とは何かを考える。

●ライラ:天族としての考え、離脱の時
 「崇めよ、称えよ」この言葉から想像に難くないが、初期のライラはとにかく自分が天族であることを誇りとしている。とにかく典型的な天族のテンプレートキャラ。
 一見すればフレンドリーだが、人間に対して恐怖を抱いている。先天的に人間自体を常に『下』として見ようとする為か、エドナとは違った意味で「人間を嫌っている」。それは誓約を殆ど語らないところからも推察できる。誓約は実は喋られるとした上で、彼女は「あえて喋らない」のだ。特にスレイが一度絶望しきった時には「他の導師を探せばいい」と、とんでも発言まで飛び出す。
 だが、スレイはどん底から立ち直る。そして、少しずつでも成長していく。そんな彼を見て、人間に隠された力を信じてみようと思った矢先、どうしても誓約を話さなければならない事態に陥る。
 『あらあら、どうしましょう』と、笑顔で誓約禁止令の紙を破り捨てる。それは、彼女の最初の覚悟でもあった。後に、「貴方を見捨てようとしたことを、お詫びします」と謝罪。本当の意味で彼女は人間を認め、そして人間は対等な相手であること、何よりも一緒に泣き笑い語り合える相手であることをはっきりと自覚する。

●エドナ:憑魔からの救出、兄の救助による忠義
 エドナは人間嫌いである。ライラとは違い後天的である。理由は「兄の憑魔化の主因が人間だったから」。そのせいで彼女は一人になり、人間を憎んでいる。
 そんな彼女に対して、スレイは「絶対に助ける」と笑顔で答える。最初は折れたところを鼻で笑ってやろうという気持ちで一行に加入する。直ぐに化けの皮が剥がれる。それは戦争のときに直ぐに判明した。それ見たことか。やっぱり人間なんて信用できない。
 いや、スレイは違った。どん底から這い出た彼は、真っ先に最初の約束を思い出す。「絶対に助ける」。東奔西走する彼の姿を見て、『スレイで駄目なら、もうきっぱり諦めよう』と、彼を信用するようになる。
 エドナ兄の救助が成功後、彼女は助けられた兄に別れを告げる。「スレイのやりたい事を手伝ってくる。お兄ちゃんを助けてくれた、恩返しに」。そこに、人間嫌いの彼女はいなかった。毒舌は残ったが。

●デゼル:奪われた銃、復讐の心
 彼の行動指針は『復讐』となっている。
 純粋に『復讐すること』を正当化している為、穢れることはない。その為にロゼやセキレイの羽を利用する事も躊躇うどころか楽しんでいる。だから穢れない。ロゼは只の隠れ蓑に過ぎなかった。
 それほどまでに歪んでしまったのは、心の全てが復讐に満ちていたからである。親友を殺した憑魔に復讐する。その為だけに行動しているのである。
 実はその復讐を(知ってか知らずか)止めようとしたのは、ザビーダである。元々はデゼルが、天族が作り上げた遺跡で銃を見つけたのだが、ザビーダが『これ強そう』という単純な理由で、彼からこっそりと盗んで出掛けてしまったのだ。それ以来、彼等は犬猿の仲となってしまう。
 デゼルの復讐する相手とは。そしてザビーダとの仲はどうなるのか。

●ザビーダ:強さを求めること、壁にぶち当たるとき
 戦う事が楽しい彼にとって、戦いの世界は非常に居心地が良い。自ら戦場に現れては手当たり次第に暴れて、特に憑魔なら見境無く殺すほどの(悪い意味で)戦闘馬鹿である。過去には先代導師と行動していたライラも手を焼いたほど。
 そんな彼も、戦って壁にぶち当たる。スレイ達である。最初はスレイ達の方が必死に逃げるほどだったが、アリーシャも含めたスレイ達の成長、なによりもジークフリートの使いすぎで一時的に力が弱ってしまい、ついに敗北を喫することとなる。
 長年最強を誇った自分が敗れる。その事について深く考え、強くなるとは何かを考えるようになる。導き出した答えが『修行する』とは単純であり、そしてジークフリートをスレイ達に譲り(というよりデゼルに返す)、やはり度々戦いを挑んでくる。
 彼は物理的な強さだけでなく、後に精神的にも強くなる。勿論、戦闘馬鹿は変わらない。但し、良い意味で。

●ロゼ:殺意とは
【商人Aパターンの場合】
 セキレイの羽として活動して以降、昔の事は忘れて今を楽しく生きようとしていた。商人生活も楽しい。気掛かりは、復讐に身を焦がし、要人その他関係なく手当たり次第に殺し回っているルナールのこと。
 そのルナールと共通の仇を、偶然にも見かけてしまう。いつもの明るく優しい姉御キャラは消滅し、気が付けばあの男を殺しに掛かっていた。そして、とんでもない勢いでロゼから穢れが生まれる。
 元は彼女も、アリーシャと同じ王族系の立場であった。だが、天涯孤独の末端貴族だったこともあって国の不祥事に蜥蜴の尻尾切りとして捨てられてしまう。とはいえ、末端すぎて庶民同然の暮らしをしていた上に、以前より外の世界で旅をしながら仕事がしたいと思っていた為か、ロゼの従者だったルナールと比べて国に対して恨みは持っていなかった。
 実際に自分を追放した男を除いて。
 スレイ達に助け出された彼女は、「あいつを殺したい」と気持ちを全て吐露する。殺人は悪いことである。それでも、優しくて健気でいつも頼りにしていたルナールがあんな姿になってしまったのは、あいつのせいだ。だから、あの野郎だけは絶対に殺す。例え犯罪だとしても。
 彼女の葛藤、そして彼女の心を救うには。そもそも、人を殺すとは、どういう事なのか。

【暗殺Bパターンの場合】
 セキレイの羽として活動する彼女だが、裏の顔は『風の骨』という暗殺ギルドの頭領だった。セキレイの羽の他のメンバーも暗殺ギルド所属者である。
 彼女達の目的は『世界を混乱させて、自分達を破滅させた連中に復讐する事』。国を全て敵と考えており、国民も全て敵である。その為、人を殺す事に躊躇いがない。だから穢れない。
 元は彼女も、アリーシャと同じ王族系の立場であった。だが、天涯孤独の末端貴族だったこともあって国の不祥事に蜥蜴の尻尾切りとして捨てられてしまう。十分に生きていける暮らしから一転、何もかもを失い世界から取り残された彼女は、世界に対して復讐することを誓う。そして、同じように尻尾切りの犠牲となった元貴族達を集める。そこにデゼルがやって来て、協力したのである。お互いが利用し利用されていることは、知っていた。
 唯一、人殺しに対して抵抗があったルナールは早々に離脱し憑魔化してしまう。それでも、彼女達は足を止めない。復讐を果たすまで。
 物語中盤、スレイ達と対峙する。復讐の為の殺人を全て肯定し、穢れを生み出さずに振舞う彼女に、一行は驚愕する。それでもなんとか止めようと戦い、そしてスレイ達の勝利で終結する。
 もう辞めないか、復讐なんて。駆けつけた憑魔化ルナールがロゼを止めようとして、彼女はルナールを涙ながらに殺す。その瞬間、ロゼは完全な憑魔と化してしまった。ルナールを殺した罪悪感。おそらく人を殺して初めて生まれた罪悪感に、彼女は押し潰されたのだろう。
 改めて倒された後、彼女は一行に囲まれる。「アリーシャ、あんたは幸せ者だよ。」そう呟いて、息を引き取った。


※本スレID:Zsw.QqGs0様と、ID:9olMffZ20様から助言をいただき、ライラの扱いについて補足、及び枢機卿について追加を行いました。ありがとうございます。

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最終更新:2015年03月11日 10:11