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SFマガジンセレクション1989

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SFマガジンセレクション1989

137 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 03/08/27 19:29
早川書房編集部編『SFマガジンセレクション1989』

日本人のSFは余り見ないのだけど良作揃いで面白かった。
エネルギー節約のため、巨大な世代宇宙船でウサギを処分することが決定される。
それに反対する子供たちは、ある場所で「デンワ」という旧式の通信機械を発見し・・・
(草上仁『市長、お電話です』)。
貨幣を脂肪にして身体に取り込むというアイデアで、「肥満=裕福」という洒落が利いてる、神林長平『痩せても狼』。
何故か雨後に地面から「生えている」白く透き通った動物たち、岬兄悟『筍族』。
アンドロイドが実用化された時代の「家族の絆」の姿は。東野司『最後の日』。
個人的に集中の白眉と思うのは、大場惑『メイズィング・ゲーム』。
記憶を失ったまま、終わりの見えない巨大迷路内をさ迷う何万、何十万という人々。
やがて各自が自分の生き方、すなわち迷路に対する回答を見出す。
街ができ、情報ネットワークが整理され、経済が成立する。
名のない彼らが、職種を固体名として受け入れていく様子が面白い。
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