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シオドア・スタージョン

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zgok0079

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一角獣・多角獣

521 名前:でへ 本日のレス 投稿日:2005/11/19(土) 05:07:58
一角獣・多角獣 シオドア・スタージョン 早川書房

またまたソウヤーを読むのを止めて、こちらを先に読了。

今まで読んだスタージョンの短編集の中で、一番の出来です。

最初の「一角獣の泉」、と最後の「考え方」が良い、9点

孤独の円盤、死ね、名演奏家、死ね(マエストロを殺せ)
が8点(ほかの短編集と重複しますが)

あとは7-8点

これは良く復刊してくれました。感謝を込めて
総合評価は9点

今手に入るスタージョンの短編集の中では、
一番のオススメ

海を失った男

413 名前: でへ 04/01/18 11:22
海を失った男 シオドア・スタージョン 晶文社
本当に久しぶりにスタージョンのSFを読みました。
文章がとってもヨイ(英語に淫している でしたっけ?)
読みながら、ヲヲッ、スタージョンじゃあ、と思って
しまいますタ。

あとがきでは違うといっているけど、「成熟」は、やっぱり
超人モノですな、テッド・チャンの「理解」を思い出しながら、
時代と作者の違いを感じました。

話の出来としてはテッドチャンのほうが上かもしれないけど、
おれはスタージョンのほうが好き。
8点

935 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 04/12/06 03:18:18
スタージョン「海を失った男」
濃い……。収録作品の高密度なクオリティの高さに脱帽。こんなに凄い作家だったとは。
かなり本格SFしている「成熟」のような作品ですら、オチが文学的なのが凄くかっこいい。
「不思議のひと触れ」とは違い、読み応えのある最高水準の作品ばかりが選りすぐられており、
極めてハイレベルな本。
「スタージョンのベストアルバムを作るつもりで独自に編んでみた」という編者の言葉に偽りなし。
10点

輝く断片

301 名前:でへ 投稿日:2005/10/01(土) 22:41:44
輝く断片 シオドア・スタージョン 奇想コレクション

ようやく読了、全部面白かったけど、輝く断片、マエストロを殺せ
が特に良かった。
SFじゃないと思うけど、、、
7点

最近でた中では、再読だけど、創元の時間のかかる彫刻(の表題作)
が一番良かった。 これは8点

きみの血を

832 名前: ◆GacHaPR1Us 04/11/07 21:33:15
きみの血を
シオドア スタージョン (著),
山本 光伸 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150410275

 スタージョンの作品を読んで困ることと助かることを一つずつ上げていけば、
その日一日他の作品(本だけではなく、音楽も含む)にまったく近づけなくなるという点、
助かることと言えば、俄然に創作意欲が増す点。
どのジャンルにも当てはまらないその作風は、実に現代のSFの現状である「スプロール」に
ふさわしく、それゆえに今、着目されているのだと思う。とにかく凄い。
10点

時間のかかる彫刻

725 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/08/06(日) 19:27:48
シオドア・スタージョン「時間のかかる彫刻」
5点。

短編集「時間のかかる彫刻」の表題作。
よくわからんかったー。
いかがわしい治療法で癌が治って、それでどーしたっちゅうねん。
盆栽ってどういう意味だろう。何かの象徴なんだろうけど。

以前読んだ「夢見る宝石」も解らんかったし、スタージョンはどうも俺には合わないみたい。
でもスタージョン好きの先輩から借りた本なんだよね…。
短編集のほかの作品も続けて読むか、「俺には合いませんでした」と返すか、考え中…。

人間以上

186 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 02/07/22 00:17
スタージョン「人間以上」

何度も挫折したが、何年ぶりかに読み直してやっと読了。
超能力ないし集合知性ものという認識だったけど、
モロ進化テーマSFだった。
挫折してた理由は、第1部があまりに暗すぎて、
「白痴」やら無気味な姉妹やら、まともな人物が一人も
出て来ない耐え切れなさに辟易していたためだが、
我慢して読み進めたところ、赤ん坊が出てくるところから
急に面白くなった。
とにかくもう、この赤ちゃんがカッコよすぎて最高!(藁
第2部はキャラクターの一人の精神分析の形をとった回顧、
という凝った構成のミステリ仕立てになっている。
そして第3部、人類の新形態としての集合知性の
暴走による自滅を食い止めるための機構として、
道徳、倫理を超える「品性」なる概念をもっともらしくでっち上げ、
将来における更なる上位レベルの進化、という大風呂敷を広げて
幕を閉じる。
全体主義思想につながるとか叩かれそうなラストではあるが、
個人的には「幼年期の終わり」とかよりもいいかも。
(好き好きと思うが)

ただスタージョンのねちっこい暗い文体は、長編では
さすがに少ししんどかったので、その分1点だけ引いて
9点

ヴィーナス・プラスX

678 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/05/20(金) 18:25:07
ヴィーナスプラスX面白かった。
短編の長いやつって上にあるけどそんな感じ。
しかも本格ミステリだったw
続きのほうが面白そうな気がしないでもないけど
まあ作者があの世では無理かw
後半の差別、優越本能に関する文明論の部分が
いちばん面白かった。8点。

5 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/10/14(土) 02:33:13
ヴィーナス・プラスX/シオドア・スタージョン
ジェンダーSF,もしくはユートピアSFとしては、今読むとやや古さを感じる内容。
だが、構成の妙がそれを補って余りあり、このタイプにありがちな退屈さを免れている。
SFパートの合間に現代の普通の家庭が描写されるのだが、
読み進めていくうちに、そちらの方こそがどこか狂っているように感じられていくのは、
読者の側が変化を強いられるからだと思われる。
衝撃の展開を経た後に訪れる、
恐ろしく突き放した、しかし絶望的ではない結末も良い。「彼ら」は今も待ち続けているのか?
8点

不思議のひと触れ

486 名前: でへ 04/03/14 15:23
不思議のひと触れ シオドア・スタージョン 河出書房
これまたスタージョンの短遍集
やっぱり文章がヨイ
一番良かったのは「影よ、影よ、影の国」かな
わずか20ページほどの短遍で、これだけ読み応えの
ある話は珍しい。

「裏庭の神様」は、よくあるお伽話のような話だったけど
いい味出しているし、「不思議のひと触れ」や、
「孤独の円盤」は、スタージョンにしか書けない話だ。
「タンディの物語」は子供が良く書けている。

8点
どちらも2000円近くするけど、「海を失った男」と共に
値段以上の満足を与えてくれた本でした。

664 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 04/07/07 21:07
スタージョン 不思議のひと触れ

「海を失った男」「きみの血を」に続く3冊目。
短編集復刊されないかなぁ。

「裏庭の神様」「タンディの物語」「雷と薔薇」とかは、
アイディア自体はありがちだけど(SF初期の作家だし仕方ないけど)
語り方が巧い。とくにタンディの物語。
関係ないけどタンディの物語はF・不二夫氏のSF短編の絵が浮かんだ。
もう一人のシーリアはブラウンの「闇の女」みたいなのかな?
と思って読んだので驚いた。主人公の良い感じな変態ぶりが良い。
SF方面はにおわすだけなのも良い。
閉所愛好症は今読むとどうしてもヒッキーの願望充足に読めてしまうのがなんとも。
実際これはあんまり巧くないと思う。

タイトルと孤独の円盤はペアっていうか構造は同じだね。
後者のほうがよりつらい孤独感出してるけど。

熱狂的なファンが居るのもうなずける。
シニカルぶったのより、こういう小説のほうが断然良い。
登場人物悲惨な目にあわせればカッコイイとでも思ってるクリエイターが多い気がする。
10点いっとく。

夢見る宝石

29 名前:でへ 投稿日:2006/03/30(木) 23:51:18
夢見る宝石 シオドア・スタージョン ハヤカワSF

再読です。

以下、自分のスタージョンに対する思いをネタバレと
ともに、、、、

長文失礼



私がスタージョンを好きなのは、もともとは独特の
雰囲気を持った文体にあったのですが、
最近は変わりました。人生の半ばを過ぎて、自分の行く末が
見えてきたからでしょう、、、

スタージョンの小説や、そのあとがきから読み取れるのは、
スタージョン自身が、才能を持ちながら社会には理解されて
いないと感じていたこと、そして理解されないゆえにあまり
幸福な人生を歩んでいなかった。と言うことです。

彼の書いた作品には精神的、身体的な奇形を持つ人物
(以下フリークスと称す)が、しばしば登場しますが、
これは、自分が理解されていないと感じる社会に対しての
疎外感が、同様に社会に対しての疎外感を持つフリークスたち
への共感を引き起こし、そういったフリークスを作品に
登場させているのだと思います。

そういった思いによって、彼はいくつかの話を書きました、
そのひとつが、「夢見る宝石」なんだと思います。

だから「夢見る宝石」にはフリークスも出てくる、そして、
作者自身も出てくる。
作者の恐れている自身の悪い面の投影である、自分を理解して
くれない世間を、憎んで憎んで、滅茶苦茶にしてやろうと
たくらむ悪役が出てくる。
また、作者の善(作者がなれなかった理想である)の投影である、
初めは、普通人よりもはるかに優れた能力によって周囲
からは理解されず疎まれながらも、しまいにはその能力でもって
世の中で成功する(作者の理想でもある)主人公もでてくる。

その両面性、そこまで読み解かなければならない複雑さが
スタージョンの面白さだとも思うし、理解しがたい点でも
あると思う。

この本をもってここまで考えさせられた点では
評価は10点

しかし一般的な評価では6点か7点だろう
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