今日読んだSF/FT/HRの感想@SF板まとめページ

ジェィムズ・ブリッシュ

最終更新:

zgok0079

- view
管理者のみ編集可

宇宙都市シリーズ

757 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 04/09/10 23:05:13
ジェイムズ・ブリッシュ「地球人よ、故郷に還れ」

名作の誉れ高いので期待したが、あまりにも酷かった。
特に前半がひどすぎる。ストーリーが行き当たりばったりで
めちゃくちゃだし、キャラは没個性だし、特に主人公の行動が
基地外じみていて虫酸が走る。
終盤で、マゼラン星雲に逃げて降りた星で現地人を見て、
自分の行動の罪深さを悔い改めた後は、少しマシな行動をとるが、
結局自己満足の域を出ない。
それに一個の長編としてみると、終盤だけとってつけたように
作風が変わったような感じでバランスが悪く、読後感が非常に悪い。
50年代初期の中編を寄せ集めただけの本らしいので、
しょうがないか……

本書の終盤やプロローグなどを読むと、シリーズ全体としては
科学技術が進歩してもいっこうに帝国主義から抜けられないまま
滅んでしまう愚かな人類の歴史を傍観して、哀れむないし
あざ笑うといった大きなテーマがあるような感じはするが、
仮にそうだとしても、そういうテーマ設定自体が既に時代遅れで、
今更読んでもねえって感じもしないでもない。

ともあれ、これより後に書かれたシリーズの他の3作は多少ましに
なっていることを期待したいです。

前半 0点
後半 5点
総合 2点

764 名前: でへ 04/09/11 22:33:52
宇宙都市シリーズ ジェイムズ・ブリッシュ ハヤカワSF
1.宇宙零年 2.星屑のかなたへ 3.地球人よ、故郷に帰れ 4.時の凱歌 全4冊
(西暦2000年(人類の太陽系外への拡散)~西暦4000年(宇宙の終焉)まで)

ジェイムズ・ブリッシュは当時のハードSF作家です。
彼は当時の冷戦時代の政治状況をふまえて、次のような物語(宇宙都市シリーズ)を作りました。
ソビエトと合衆国は冷戦を限りなく続けて行き、双方とも官僚独裁制と言うべき政治形態となる。
(オーウェルの1984年みたいですね。)
両勢力は手詰まりに陥っており、最終的には自殺的な戦争(第3次世界大戦)をおこし共倒れになる可能性が高い
(1950年代に書かれた話ですから、、ディックも同様な話が多い)
人類が生き延びるには、両勢力の力が及ばない地球外(太陽系外)にでる必要がある。
そこまで見込んだある人物が(科学まで統制がされた)世界で、なんとか新しい技術を開発し、恒星系へ出る手段を見つけようとする。
彼は対抗勢力を圧倒できるような兵器の開発をしているふりをして予算を獲得し、2つの手段を開発する
ひとつは光速の何倍かで移動できる推進手段(スピンデイジー、ブラケット・ディラックの方程式による)、
もうひとつはそれでも何百年もかかるような航行が一人の人生で行えるための寿命延長手段(ゲルマニウム、抗生物質)
このシリーズはこのような経緯で人類が銀河系に広がってゆき、銀河の覇権をとり、最後にはビッグバンの終焉とともに、、、
というスケールのでかい話です。
バクスターみたいでしょ、小説の下手糞さも似ている。(ry)
9点

ブリッシュは不遇な作家なんですよ。彼が脚光を浴びたのはスタートレックのノベライズぐらいです。

時の凱歌

113 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2008/05/10(土) 19:10:22
ジェイムズ・ブリッシュ「時の凱歌」
宇宙大作戦のカーク船長みたいなニューヨーク市長が宇宙的な危機に立ち向かう! というお話。
本筋と娯楽要素のアンチシナジーが凄まじい。ダン・シモンズが偉大な人物に思える酷い出来だった。
反物質宇宙研究と「ヘラクレスの網」のアイデアは面白かっただけに残念。
7点
記事メニュー
目安箱バナー